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不動産登記とは|登記の種類・手続きの流れ・費用と相続登記の義務化を解説
土地や建物といった不動産を取得したり売買したりする場面では、必ず不動産登記の手続きが関わってきます。登記とは、その物件の所在地や面積、所有者の氏名や住所、権利関係といった情報を国の登記簿に記録し、誰に対しても公示するための制度をいいます。仕組みや必要性を正しく理解しておくことで、大切な財産をめぐる取引を安全かつ円滑に進められます。
この記事は、不動産登記の基礎知識を初めての方にもわかりやすくまとめた手引きです。登記の種類や手続きの流れ、必要書類や費用の目安、そして2024年から義務化された相続登記まで、順を追って解説します。専門的で難しく感じられる分野ですが、全体像という地図を手にしておけば、司法書士への相談もぐっとスムーズになります。

不動産登記とは
不動産登記とは、土地や建物に関する物理的な状況と権利関係を、法務局が管理する登記簿に記録して広く公開する法的な制度です。登記記録には、その不動産の所在地や地番、家屋番号、面積といった概要に加えて、所有権や抵当権などの権利の内容が記載されます。取引に先立って登記の内容を確認すれば、相手方が本当の所有者かどうかを見極める確かな材料になります。登記は不動産取引の安全を支える基礎的な仕組みであり、住宅の購入や相続といった人生の大きな節目で必ず登場するものです。
登記された内容は登記事項証明書として誰でも取得でき、いわゆる登記簿謄本にあたる公式な証明書として利用されます。証明書は最寄りの登記所や法務局の窓口で請求できるほか、オンラインでも交付を受けられます。第三者に対して自分の権利をはっきりと主張するためには、この登記による公示が欠かせません。証明書の見方に迷った際は、法務局が公開しているガイドを参照すると安心です。
登記された情報は、法務局が運営する登記情報提供サービスを利用すれば、インターネットを通じて手軽に確認できます。窓口へ足を運ばなくても、パソコンやスマートフォンから対象の不動産を指定して登記記録の詳細を閲覧でき、必要に応じて登記事項証明書の交付を請求することも可能です。土地や建物の売買、あるいは賃貸を検討する際には、こうした方法であらかじめ最新の情報を取得し、権利関係に問題がないかを調べておくと安心です。取得した情報をもとに手続きの見通しを立てておけば、その後の準備も落ち着いて進められます。
登記の内容は、所有者本人だけでなく取引の相手方や金融機関など、さまざまな立場の方が利用する共有の情報基盤でもあります。だからこそ、記載されている事項が現在の実態と一致しているかどうかを、節目ごとに確認しておくことが大切です。住所や氏名が変わったにもかかわらず登記を放置していると、いざ売却や相続の場面で登記名義人と実際の権利者が食い違い、余分な手続きが必要になることもあります。日頃から登記の情報を正しく整えておくことが、将来の負担を軽くする第一歩になります。
不動産登記の種類(表示登記・権利登記)
不動産登記は、大きく表示登記と権利登記の二種類に分かれます。表示登記は登記簿の表題部に記録されるもので、建物を新築した場面などで、所在や構造、床面積といった物件の物理的な状況を明らかにする役割を担います。
一方の権利登記は権利部に記録され、甲区には所有権に関する事項が、乙区には抵当権など所有権以外の権利が記載されます。土地や建物を初めて取得したときに行う所有権保存登記、売主から買主へ名義を移す所有権移転登記、住宅ローンの担保として金融機関が設定する抵当権の登記などが代表例です。登記をしておく最大のメリットは権利を公に主張できる点にあり、反対に、登記を怠って放置するデメリットとしては、権利関係が不明確になり後の手続きが難しくなる点が挙げられます。どの種類の登記が必要になるかは物件の状況や目的によって変わりますので、まずは自分のケースがどれにあたるのかを整理しておくと、その後の準備が進めやすくなります。
もう少し具体的にみていくと、表題部には、土地であれば所在や地番、地目、地積が、建物であれば所在や家屋番号、種類、構造、床面積といった概要が記載されます。新築した建物についてまだ登記がされていない場合には、最初に建物表題登記を行い、その物件の物理的な状況を登記記録に反映させます。土地と建物はそれぞれ別個の不動産として扱われますので、両方について登記の内容を確認しておくことが欠かせません。表示登記に関する情報は、その後の権利登記の前提になる基礎的な部分にあたります。
権利部のうち甲区に記載されるのは、所有権の保存や移転、差押えといった所有権に関する事項です。これに対して乙区には、抵当権や地上権など所有権以外の権利に関する事項が記載されます。たとえば住宅ローンを組んで建物を購入した場合には、金融機関が担保として抵当権を設定し、その内容が乙区に記録されます。どの区にどのような事項が載っているのかを読み解けるようになると、対象の不動産にどのような権利がついているのかを正確に把握できるようになります。

登記手続きの流れ
登記手続きの流れは、まず申請の目的に応じて必要書類を準備することから始まります。売買であれば、売主と買主の間で契約を結び、登記の原因を証明する書類や本人確認の資料を添付したうえで、管轄の法務局へ申請書を提出します。書類に不備があると審査が滞るため、提出前の確認という注意点は見過ごせません。
提出後は登記官による審査が行われ、内容に問題がなければ登記が完了します。手続きが済むと登記名義人には登記識別情報が通知されますので、この番号は他人に知られないよう厳重に保管してください。近年はオンライン申請にも対応しており、登記情報提供サービスを使えば、パソコンの簡単な操作で登記記録の詳細をインターネット上で検索して確認することも可能です。こうした登記を自分で行うこともできますが、慣れない手続きには時間がかかるケースも少なくありません。
申請書には、登記の目的や登記の原因、不動産の表示、そして申請者となる当事者の氏名や住所などを正確に記載します。添付する情報としては、登記の原因を証明する書面や住所を証する書類などが求められ、案件によって必要となる書類の内容は変わってきます。申請は不動産の所在地を管轄する法務局に対して行い、管轄を誤ると受け付けてもらえないため、事前に対象の登記所を確認しておくことが大切です。申請書の様式や添付情報の詳細は、法務局のサイトでも案内されています。
登記はこうした流れを踏まえれば申請者本人が行うことも可能ですが、書類の作成や管轄の確認には慣れが必要で、途中で判断に迷う場面も出てきます。とりわけ相続や共有名義がからむ案件では、集めるべき情報や書類が多くなり、一つでも不足があると審査が止まってしまいます。そのため、確実に手続きを終えたい場合には、司法書士に依頼するという方法を選ぶ方も少なくありません。専門家に任せれば、申請の準備から法務局とのやり取り、完了後の書類の受け取りまでを一貫して進められます。
必要書類と費用の目安
登記に必要な書類は申請の種類によって異なりますが、所有権移転登記であれば、売買契約書や登記識別情報、印鑑証明書、住民票などが基本となります。相続登記の場合は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等や相続人全員の書類をそろえる必要があり、通常はその他の付随資料も求められます。以下のような関連書類の準備には手間がかかるため、早めの着手が肝心です。
費用の面では、法務局へ納める登録免許税が中心になります。税額は固定資産の評価額や登記の種類に応じて決まり、これに司法書士へ依頼する場合の報酬が加わります。少しでも費用を安く抑えたいと考える方もいらっしゃいますが、専門家に任せることで手戻りを防ぎ、結果として時間と労力の節約につながる場面も少なくありません。
費用の中心となる登録免許税は、登記の種類ごとに税率が定められており、たとえば所有権移転登記では、不動産の固定資産税評価額に一定の税率を掛けて税額を計算します。相続を原因とする所有権移転の登録免許税は、売買を原因とする場合とは税率が異なりますので、自分のケースがどの登記にあたるのかをふまえて確認することが欠かせません。証明書の請求や戸籍などの書類の取得にも実費がかかりますから、あらかじめ費用の全体像を把握しておくと、資金の準備も進めやすくなります。
司法書士に手続きを依頼する際の報酬は、案件の内容や必要となる書類の量、手続きの難易度によって変わります。そのため、見積もりの段階で費用の内訳や詳細を確認し、どこまでの範囲を任せられるのかを整理しておくと安心です。目先の金額だけで判断するのではなく、書類の収集や登記の申請、その後の名義変更までを含めてどの程度の手間を省けるのかという観点で、依頼するかどうかを検討するとよいでしょう。費用に関する情報を早めに集めておくことが、後悔のない選択につながります。

相続登記の義務化について
これまで任意とされてきた相続登記ですが、2024年4月からは法律で義務化されました。不動産を相続で取得したことを知った日から三年以内に登記を申請しなければならず、正当な理由なく怠ると過料の対象となる場合があります。なぜ義務化されたのかというと、所有者が分からない土地の増加が社会問題となっていたためです。制度の開始にあたっては経過措置も設けられていますが、期限を過ぎてしまう前に早めに対応しておくことが望ましいといえます。
名義変更をせずに放置すると、世代を重ねるうちに相続人が増えて権利関係が複雑になり、後の売却や活用が難しくなります。共有名義のまま長く放置された土地や建物は手続きがいっそう煩雑になりますので、相続が発生したらいつまでも先延ばしにせず、早めに登記を済ませておくことをおすすめします。
相続登記を申請する際には、被相続人の出生から死亡までの戸籍をたどって相続人を確定し、遺産分割協議によって誰がその不動産を取得するのかを決めたうえで名義変更を行います。相続人が複数いる場合や、すでに何代にもわたって名義がそのままになっている場合には、権利関係の調査に時間がかかることも珍しくありません。義務化の開始にあわせて、相続人が期限内に申請の負担を軽くできるよう、相続人申告登記という簡便な方法も新たに設けられました。この制度を利用すれば、遺産分割が済んでいない段階でも、登記官に対して自分が相続人である旨を申し出ておくことができます。
いずれの方法をとるにしても、期限までに手続きを終えるためには、早めに必要な情報や書類をそろえていくことが求められます。とくに古い相続がからむケースでは、集めるべき戸籍の範囲が広がり、相続人の間で連絡を取り合う手間も増えていきます。放置された名義をそのままにしておくと、次の世代へと問題が引き継がれ、いざ売却や活用を考えたときに手続きが一段と難しくなります。登記に関する情報を早い段階で整理し、必要に応じて専門家の力を借りながら、着実に名義変更を進めておくことが安心につながります。
登記簿謄本の取得方法と土地・建物の調べ方
不動産登記の内容を確認したいときは、登記簿謄本にあたる登記事項証明書を取得する方法が基本になります。土地の登記簿謄本と建物の登記簿謄本はそれぞれ別に用意されており、土地であれば所在と地番から、建物であれば所在と家屋番号から対象を特定して請求します。窓口で請求する方法のほか、オンラインの登記情報提供サービスを利用して確認する方法もあり、目的に応じて使い分けると便利です。取得した登記簿謄本を手元に置いておけば、土地や建物の権利関係をいつでも確認できます。
取得した登記簿を見るときは、表題部・甲区・乙区という三つの部の役割を押さえておくと読み解きやすくなります。表題部にはその不動産の概要として、土地なら地番や地積、建物なら家屋番号や床面積が記録されます。甲区には所有権に関する事項が、乙区には抵当権をはじめとする所有権以外の権利が記載され、住宅ローンを組んだ際に金融機関が設定した抵当権も、この乙区で確認できます。どの部を見れば何が分かるのかを知っておくと、土地と建物それぞれの登記の状況を落ち着いて把握できます。
登記を行う際には、法務局へ登録免許税を納めます。登録免許税は登記の種類ごとに税率が定められ、証明書の請求や書類の取得にかかる実費とあわせて、あらかじめ費用の全体像を把握しておくと安心です。登記が完了すると登記名義人へ登記識別情報が通知されますので、この通知された情報は大切に保管してください。手続きを自分で行う方法もありますが、内容が複雑な場合は司法書士に依頼する方法を利用する方も多くいらっしゃいます。どの方法を選ぶかは、登記の内容と手間を照らし合わせて判断するとよいでしょう。
土地と建物は登記のうえでは別々の不動産として扱われるため、土地の登記簿と建物の登記簿を両方確認することが欠かせません。たとえば土地の上に建物を新築した場合、土地についてはすでにある登記記録を確認し、建物については新たに建物表題登記を行って登記簿に反映させます。土地と建物で名義や権利関係が異なることもあるため、両方の登記簿を照らし合わせておくと、不動産全体の状況を正確に把握できます。土地の登記と建物の登記をそろえて整えておくことが、後の手続きを軽くする近道です。
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