遺言書 自分で書ける人、プロに頼のむのが良い人の特徴
ご無沙汰しております。しばらく更新しておりませんでした。
みなさまご存知でしょうか、自分で書いた遺言書を法務局で保管する制度があることを。
ご存知の方も多いのでしょうか、弊社にも遺言書に関するご依頼が増えております。
遺言書の作成が増える。これはご本人、ご家族、社会にとっても大変良いことだと思います。
20代の頃から遺言書の仕事をしてきて遺言書を自分で書きたいという相談も多くいただき、文案の作成などもしてきたのですが、最近は自分で遺言書を書ける人と、これは公正証書の制度を利用して作成してもらったほうがいいですよ。という2つのパターン相談者の特性がわかってきました。
文案を作成しても自分で書けない人は結構います。
今回は遺言書を自分で書ける人、頼んだ方が良い人のパターンを紹介します。
自分で遺言書を書ける人の傾向
・年齢が60代まである。
・仕事を現役でやっているか、仕事も総務や経理で細かいことを責任を持って取り組んでいる人。
若しくはこのようなキャリアを持っている人。
年齢と属性が大きな特徴です。こういった方は手堅く資産を形成されている傾向にあり、きちっと調査し予測をたてる能力が高いので、まぁまぁ精度の高い遺言書をお持ちになります。
まだ若いし、難しい文書を書き上げるパワーもありますし、何より遺言書を書く理由や方針がしっかりしてます。
離婚していたり、お子さんがいたりいなかったり、内縁関係であったりいろんなケースがありますが、しっかり状況を理解していらっしゃるので、こちらも内容についてはそんなに口を出しません。細部の訂正をして法的に不備のない、実際に使える遺言書に仕上げていきます。
こういった方は、専門職からアドバイスをもらうだけで十分だと思います。
費用もご相談料や文書添削で3万円くらいで済むケースが多いです。
公正証書で作成した方がよい人の傾向
・70代以上で仕事を引退している。
・聴力、視力、体力がかなり低下している。遺言書を作成したい原因や不安はあるが明確になっていない。
・子供、家族から遺言書を作成してほしいと言われているが正直どうしていいかわからない。
このような方。
こういった方は公正証書遺言を遠慮なく利用しましょう。
このような相談者は、コミュニケーションが重要です。
何で相談に来たのか、何が不安なのか、本当はどうしたいのか、どうなれば幸せな状態と感じるのか。
遺言書も万能ではありませんが、相談者の意思に寄り添って法律を適用して具体化していくのが法律家にとって「権利の実現」という仕事でありますので可能な限りがんばります。
ちなみに菱田司法書士事務所の司法書士は傾聴、カウンセリングなどの技術を学び相談を受ける心構えを身につけています。
コミュニケーションを重ねて具体的な遺言書の文案を構成し、公証役場に出向き、公正証書作成特有の手続きを経て公正証書遺言が完成します。
手続きと言いますと、公正証書遺言は遺言者と証人2名が立ち会う必要があります。私もしょっちゅう立会っております。
おみ足が悪い方、入院入所されている方も公証役場に出向けなくても公証人が出張できますからご安心くださいね。
公正証書で遺言書をつくると手間と時間はかかりますが、自分で書かなくていいですからね。そこはご安心ください。
公正証書でも自分で書かないといけないと気張ってしまう方が結構います。
そういった方に自分で書かなくていいんですよ。と伝えると安心されますね。
ご高齢の方は不慣れなことをするのは、例え文章を書くという行為でもプレッシャーなんですね。
それ以外にも事前に財産の調査であったり、相続税の確認などいろいろやります。
気になるお値段。
公正証書は財産の価額や相続人の人数によって公証役場の手数料が変動します。
これに法律専門職の報酬がかかります。
相談や資料収集、文案作成などの報酬です。
良心的な弁護士さんで10万円程度ですね。
うちの事務所も10万円以内がほとんどです。
専門職報酬と公証役場手数料併せても10万円~20万円がうちの事務所では一般的です。
特別に資産家の方は30万円を超えますけどね。
自分で書くにせよ、公正証書でつくるにせよ、基本的には遺言書があったほうがいいです。
周りの方に喜ばれるように遺言書をつくりましょう。